ボーア戦争―金とダイヤと帝国主義 (1980年) (教育社歴史新書―西洋史〈A14〉)

ボーア戦争―金とダイヤと帝国主義 (1980年) (教育社歴史新書―西洋史〈A14〉) の詳細

南アフリカにダイヤモンドと金鉱が発見されたために英蘭戦争（ボーア戦争)が勃発した。第１次ボーア戦争（１８７９）は蘭の勝利で終わった。諦めない英は第２次ボーア戦争（１８９９）を引き起こした。今度は強制収容所を作り戦闘員ではなく、非戦闘員を世界で初めて収容して虐待を行った。兵站の補給を断ち切るために焦土作戦を実行してボーア人を飢餓に陥れ多くの民間人を殺害し人口を半減させた。英軍の残虐極まりない戦闘行為は帝国主義者のラッセルをもボーア人への同情者に変節させた。ボーア戦争は白人同士の戦いであったが原住民は原始状態のままに置くことでは両者共に一致していた。蘭の植民地に英が後から侵略して先住者のオランダ人を追い落とす。ブラジルでもポルトガルの植民地でもあったにも関わらず何度も英国は攻撃を仕掛けている。帝国主義では侵略者を追い払わなければ植民地を維持できない。１９世紀は英国の世界侵略戦争の歴史であった。資源を持たない英国の資源強奪戦争は手段を選ばず、相手の人間性を否定するような酸鼻極まるものであった。MI6の諜報員もこの阿漕さに辟易して組織を離れた人も多い。ロンドン・シテ－の寡頭金融資本家の指示という。彼らは金銭愛はあっても人間愛はない。英軍は彼らの手段達成の駒にすぎなかった。